映画徒然日記Vol.34「愛と哀しみのボレロ」
愛と哀しみのボレロ(1981年/フランス)
監督/脚本/製作 クロード・ルルーシュ
音楽 フランシス・レイ、ミシェル・ルグラン
キャスト ロベール・オッセン、ニコール・ガルシア、ジェラルディン・チャップリン、ジョルジュ・ドン、ジェームズ・カーン
「人間の歴史には 2つか3つの物語しかない それらは残酷なほど 何度も繰り返される 毎回 それが初めてであるかのように」ウィラ・ギャザー
この一文から映画は幕を開ける。
1930年代のパリ、モスクワ、ニューヨーク、ベルリンのそれぞれの場所で、それぞれの人々が戦争により引き裂かれ、出会う50年に及ぶ国籍の違う4つの家族の物語。
壮大かつ、豪華絢爛な群像劇だ。
最初の一文の通り、歴史は繰り返される。
その為なのか国境を越え、時代を超えて綴られていく人間模様は親子を同じ俳優が二役で演じていたりするので、時々混乱してしまう。
しかし、そんな混乱の中で人々が国籍、それぞれ抱えた過去を越えて繋がるラストのコンサートのシーンは圧巻。
これこそ、映画だ。
これは、映画館のそれもバカでかいスクリーンで観るための映画だ。
筆者は、小ちゃいテレビで初鑑賞。
これじゃ、良さが半減よね・・・
音楽を担当した、ミシェル・ルグランとフランシス・レイ。
フランシス・レイの代表作といえば、クロード・ルルーシュの「男と女」のテーマ曲は一度は聞いたことがあるはず。
そして、ミシェル・ルグランといえば「シェルブールの雨傘」、「華麗なる賭け」など映画音楽界の大御所だ。
そんな、2人がコンビを組んでのぞんだ事だけでもどんだけ気合いが入った作品かという事がわかる。
この作品は、突如ミュージカル映画の様なシーンが何度かある。
これは、ミュージックビデオの撮影シーンなのだが、これがとってもクール!!
ラストのエッフェル塔でのバレエのシーンがとても有名だが、他のダンスシーンも見どころだ。
この作品には、主人公と言われるキャラクターはいない。
全員が、主人公と言えば主人公だ。
登場人物は、音楽を生業にしている人が大勢出てくる。
戦争により、音楽を生業にしているからこそ十字架を背負って生きなければならない人々がそれぞれの事情を抱える。
それでも、音楽を捨てられず音楽に生きるしか他に彼らには道はない。
そんな、音楽やバレエに人生をかけた彼らが時代に翻弄されながらも
最後は音楽によって救わられる。
名作として名高い作品ではあるが、もっともっと知られるべき映画であり
この作品同様、国籍関係なくいろんな国の人々に見られるべき映画だ。