映画徒然日記Vol.39 「正月スペシャルNo.2」
正月スペシャルPART2です!
映画漬けの正月を送っている2日も終わろうとしております・・・。
「響-HIBIKI-」(2018/日本)
監督 月川翔
原作 柳本光晴
脚本 西田征史
キャスト 平手友梨奈、アヤカウィルソン、高嶋政伸、柳楽優弥、吉田栄作、小栗旬、北川景子
柳本光晴の漫画「響〜小説家になる方法〜」が原作。
漫画未読なのだが、女子高生版ターミネーターみたいな天才女子高生小説家の物語。
それに引き換え、北川景子のド下手な演技は目も当てられません。
こんなに、演技出来ない人だったのかな?と驚いた。
小栗旬演じる山本の芥川賞を狙い続ける苦悩の小説家の苦しみが滲み出ていて、もっとこのキャラクターを押し出した物語を見たかった。
全体を通して、分かりやすく小説家になる苦悩、才能のある人間とない人間の現実を描いていて楽しめた。
脚本 ジャック・ソーン、スティーヴン・コンラッド、スティーブン・チョボスキー
キャスト ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、ジェイコブ・トレンブレイ、マンディ・パティンキン、イザベラ・ヴィドヴィッチ
いやぁ〜泣いた〜!!
正月早々泣かされた〜!!
最近、涙脆いのでこういうストーリーのものは弱いんです・・・。
主人公のオギーと同じ、トリーチャー・コリンズ症候群を患っている当事者がこの作品を見て、「感動ポルノ!」だと、現実はもっと過酷なものだと批判したとのこと。
当事者からすると、確かに現実はもっと厳しい物なのかもしれないが、言ってしまえばこれは映画だ。だから、実話を元にしてるわけではないし、作品中にセリフで病名が出てきたりする事はない。これは、一つのおとぎ話なのだ。
映画は、ノンフィクションであろうがフィクションだろうが、俳優が演じてそれをフィルムに映す事自体が嘘なのだ。
だから、現実はもっと過酷だと批判するのはお門違いのような気がする。
この作品を見てオギーと違う病気の子や病気だけでなく、虐めにあっている子供の希望になる映画になれば、それは一つの価値があるのではないだろうか?
オギーに周りが希望を与えるのではなく、オギーが生きている事で希望を与える。
でも、それは顔が変形していようが何だろうが人々に希望は与えられるはずだ。
それは、勇気が出せるかどうかなのだろう。
「男はつらいよ お帰り、寅さん」(2019/日本)
監督 山田洋次
脚本 山田洋次、朝原雄三
キャスト 渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、前田吟、後藤久美子、夏木マリ、浅丘ルリ子
まさか、令和になって寅さんにまた逢える日が来るとは思ってもいなかった。
この作品を良かったとか、あそこがどうとか言うのは野暮な気がする。
シリーズ48作目「男はつらいよ 紅の花」を撮影後、渥美清がこの世を去りシリーズは実質幕を閉じ番外編49作目として「男はつらいよ ハイビスカスの花特別編」が制作をされた。
それから、時は過ぎ制作50周年を記念して今作が誕生。
新作であるものの、内容は寅さんの甥っ子の満男を中心にさくらや博などのお馴染みのメンバーが寅さんに想いを馳せながら、日々を送っていく総集編。
渥美清が亡くなってしまっているので、寅さんは昔の映画のシーンから名シーンを切り取っていたり、CG合成で登場する。
48作目を制作後、幻の49作目「男はつらいよ 花へんろ」の制作準備に入っていたが、実現はされなかった。
山田洋次監督は、寅さんを演じる渥美清をそばで見ていてあと何本も新作を撮れるとは思っていなかったであろう。
その時は、急にやってきた。
そして、シリーズは幕を引かざるおえなくなった。
山田洋次監督としては、50作目である今回の作品は「けじめ」のようなものだったのではないだろうか?
監督自身も、90歳を目前にして自分があと何本撮れるかわからない中で、幕を無理矢理閉じなければならなかった事が心残りだったはずだ。
そして、現代の移り変わりの激しい混沌とした世の中だからこそ、寅さんのような人が必要だと感じ、50作目の製作を決断したのではないか。
そんな、監督の思いそして時代がいつまでも寅さんを求めて止まないそんな思いが、この作品を誕生させたのではないだろうか。
正月映画といえば、「男はつらいよ」だったあの頃には戻れないが、令和と言う新しい時代だからこそ見てほしい作品だ。