映画を語らせろ!〜映画徒然日記〜

映画レビューなどではなく、ただただ映画について語りたがりな人間のブログ

映画徒然日記Vol.26 「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

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「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(2017年/タイ)

監督 ナタウット・プーンピリヤ

キャスト チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、ティーラドン・スパパンピンヨー、イッサヤー・ホースワン

 

秀才たちが、おバカな生徒たちから報酬を受け取って

カンニングを請け負うという単純なストーリーながらハラハラドキドキさせられた。

頭が良くても、お金持ちでも

一人一人、生徒それぞれに何かを抱えているのをしっかりと描きながら

エンターテイメント作品に仕上げていた。

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中国で起こった、カンニング騒動のニュースを見て

プロデューサーのジラ・マクリンが映画化を進めた。

その際に、ナタウット・プーンピリヤに監督に抜擢。

ナタウット監督は、中国のカンニング騒動について取材をしたりと

様々、インタビューをして脚本を1年半かけて完成させた。

そのインタビューの中で、現役の学生が「試験はたぶん地球上で一番つまらないこと」

と答えたという。

そんな、「たぶん地球上で一番つまらないこと」を題材にここまでスリリングで緊張感

を2時間と少し維持させながら進めて完成させた事に感嘆してしまう。

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ナタウット監督は、MTVなどやCMなどの映像ディレクターとして活躍していたことも

あり、カンニングという地味になってしまう様な題材をスタイリッシュに作り上げてい

る。

様々な、スリリングなカンニングシーンの中に、自分にはあまり馴染みのない

タイの社会的背景も盛り込んでいる。

同じ学校に通いながらも、片や自分の家にプールがあり親から高級スポーツカーを買っ

てもらってる生徒がいれば、片や母子家庭で個人経営のクリーニングを手伝う生徒など

貧富の差がとても激しい国であることが浮き彫りなっている。

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そんな、格差社会の中でかしこく生きていく方法として、「カンニング」が用いられ

わけだ。

しかし、どんな理由であれ不正は不正だ。

彼らを待ち受けるのは、夢のような留学生活なのか?

それとも、現実の世界なのか・・・?

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粗削りな部分もなくはないが、最後まで頭を空っぽにして

ハラハラドキドキさせられるなかなかの秀作だった。