映画徒然日記Vol.11 「サスペリア(2018年版)」
最近、軽めの何にも考えずに見れる映画を見てないな~と思い、
そういえば、気になっていたが見てなかったホラー映画があったわ!
と思い、amazonプライムで見始めて・・・。
あれ・・・これ、思ってたホラー映画じゃない・・・。
ってのが、こちら
監督 ルカ・グァダニーノ
脚本 デヴィッド・カイガニック
原作 ダリオ・アルジェント、ダリア・ニコロディ
キャスト ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィンストン、クロエ・グレース・モレ
ッツ、ミア・ゴス、ルッツ・エバースドルフ
この作品のレビューを見ると、評価がはっきり分かれている。
「サスペリア(1977年版)のリメイクだと聞いて見たのに全然違うものだ!」
「こんなのホラー映画じゃない!!」
などと批判的な意見の方が多く目にかける。
その反面、
「2時間半が、あっという間で最後まで見入ってしまった」
「新しいホラー映画だ!」
と高評価な意見もある。
確かに、これ「サスペリア(1977年版)」のリメイクだと謡われているが
設定がオリジナル版と同じなだけで、リメイクって言っちゃいけないぐらい
現代的にブラッシュアップされ過ぎてしまってるのだ。
1977年版の監督ダリオ・アルジェントは、この作品を見て
「楽しめなかった。オリジナルの精神を裏切ってる。恐怖もなければ楽曲もない。本作
の出来には、あんまり満足してない」
と、かなりご立腹の様子・・・。
筆者は、1977年版をかれこれ14、5年前に見てほとんど記憶に残ってなかったので比
べる事もなく見れた。
なので、別物と思って見てほしいってことが1つ。
そして、もう一つはこりゃホラー映画じゃない。
もちろん、ホラー要素、オカルト要素はあるが、「怖いもの見たさ」で見ると肩透かし
を喰らってしまう。
舞台となるのは、ドイツ・ベルリンでまだ「ベルリンの壁」により東西に隔てられてい
る1977年。
1977年は、何度も書いているがオリジナル版が公開された年だ。
2018年版の監督ルカ・グァダニーノと脚本家のデヴィッド・カイガニックは、
リメイクするにあたり、時代設定として公開された年を舞台とする事をまず決めて当時
のドイツ国内の情勢などを熱心に調べて脚本を書いていったらしい。
ベルリンと言う国の情勢や歴史が、物語に絡み合いそこに宗教的な要素も加わり、
その辺のことが分かってないと、「もう、ちんぷんかんぷん」で面白くも怖くもない映
画なのだ。
そんな、様々な要素を絡めながらオリジナル版と同様「魔女たち」について語られてい
く。
今回、見ていてホラー映画の中でもかなり意欲的で斬新な作品だったと自分には思えた。
褒めすぎかもしれないが、中盤辺りまではキューブリックの「シャイニング」と似てい
るような空気感があった。
画面構成とカメラワークが、独特の空気感を作り出していて作品の世界に入り込んで見
てしまった。
「音」にも、相当こだわっているのが見ていて気付いた。
出来るだけ、「暗闇」、「音質の良いスピーカー」で見てもらいたい。
amazonのオリジナル映画ではあるがパソコンやスマホのディスプレイではなく
映画館で、見るべき映画だ。
そして、この作品のMVPはやはりこの人!!!
なんと、3役をこなしているのだ!!
どの役柄を演じているのかは見て確認してほしい。
筆者は、エンドロールでそれを知ったのだが全く気付かなかった・・・。