映画徒然日記Vol.8「手紙は憶えている」
珍しく、3日と空けずに更新。
「手紙は憶えている」
監督 アトム・エゴヤン
脚本 ベンジャミン・オーガスト
キャスト クリストファー・プラマー、ブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロホノフ
クリストファー・プラマーと言えば、こちら⇓
そう!「サウンド・オブ・ミュージック」!!
いやぁ~歳取りましたな・・・(笑)
そして、もう一本クリストファー・プラマーと言えば
2年前、話題になった「ゲティ家の身代金」が記憶に新しいだろう。
こちらの作品、元々ジャン・ゲティの役をケヴィン・スペイシ―が演じる予定だった・・・というか、撮影も済んでいた。
ところが、公開を約1か月後に控えていた矢先にケヴィン・スペイシーがまさかの14歳の女優にセクハラをしたという報道がながれてしまって、急遽撮り直しを慣行。
そのジャン・ゲティをクリストファー・プラマーが演じる事になって再度撮影をすることになった。
そして、クリストファー・プラマーは「ゲティ家の身代金」で出演オファーを受けてから撮影が終了する1か月の間に・・・。
な、な、なんと!!ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネート!!!
そ、そ、そして!!!2か月後には・・・・。
アカデミー賞助演男優賞にノミネート!!!!
されるのであった!!
当時、88歳だったプラマーはアカデミー賞の俳優部門では最高齢のノミネートとなった。
と、「ゲティ家の身代金」の話に逸れてしまった・・・。
そんな、いまだに精力的な活躍をしているプラマーがこの「手紙は憶えている」では「ゲティ家の身代金」のジャン・ゲティとは全く違うまさしく「いぶし銀」の演技を見せてくれている。
あらすじ
ゼヴは今年90歳で、ニューヨークの介護施設で暮らしている。最近は認知症が進行し、最愛の妻、ルースが死んだことさえ忘れてしまうようになっていた。
ある日、ゼヴは友人のマックスから1通の手紙を託される。2人はアウシュビッツ収容所からの生還者で、ナチスに大切な家族を殺されていた。その手紙には2人の家族を殺したナチスの兵士に関する情報が記されていた。その兵士の名はオットー・ヴァリッシュといい、現在は"ルディ・コランダー"という偽名を使って暮らしているという。コランダーと名乗る人物は4人にまで絞り込まれていた。
体が不自由なマックスに代わりゼヴは復讐を決意、1通の手紙とかすかな記憶だけを頼りに、単身オットー・ヴァリッシュを探しに旅に出る。(wiki 参照)
あらすじを読むと、ディープな話なのか?と思われるかもしれないが
ぜヴが、拳銃を小さな鞄に入れて持ち歩いている姿はまるでちょっとその辺まで散歩に行くような気軽さで可愛く見えてしまう。
その姿が、微笑ましくて重い旅である事を一瞬忘れさせてくれるのだ。
映画自体も、95分とお手軽なサイズなのでサクッと見れてしまう。
・・・・が、最後に復讐を果たすための結末はサクッとは終わらせてくれない。
人間は、「忘れたい記憶」、「忘れたくない記憶」と生きていれば様々な記憶が一日一日刻まれていくが、「忘れたいけど忘れてはいけない記憶」という物があるのではないかと思う。
地味な作品ではあるかもしれないが、心に静かに少し重く残る良作だ。