映画を語らせろ!〜映画徒然日記〜

映画レビューなどではなく、ただただ映画について語りたがりな人間のブログ

映画徒然日記Vol.6 「ハウス・ジャック・ビルト」

激しい雨が降る、6月14日。

久しぶりに、待ち遠しいと感じていた映

画が公開された。

 

「ハウス・ジャック・ビルト」

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監督/脚本 ラース・ファン・トリアー

撮影 マヌエル・アルベルト・クラロ

キャスト マット・ディロンブルーノ・ガンツユマ・サーマン、シオバン・ファロン、ライリー・キーオ

 

 

あらすじ

 1970年代、アメリカ・ワシントン州

 建築家を目指すハンサムな独身のジャックは、車の運転中に1人の女性がタイヤのパンクで立ち往生しているのに遭遇する。

 彼女を助けるため、近くの修理工場まで同乗させる。

 しかし、彼女はデリカシーのない発言を繰り返す。

 それに腹を立てた、ジャックは彼女を衝動的に殺害してしまう・・・。

 そこから、ジャックの殺人アートの12年間がスタートする。

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いやぁー、久しぶりにここまで狂ってる映画を見た。

 

ジャックの殺人に関する12年間を5つのテーマにまとめた本作。

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 カンヌ映画祭から追放を受けたラース・ファン・トリアーらしく、独特な不快な雰囲気を最初から最後まで漂わせながらも、不意に強烈な殺人シーンが挟み込まれる。

 カンヌ追放から、8年。

 久しぶりにラース・ファン・トリアーがカンヌに帰ってきたというニュースをネットで見て、こいつは今年のカンヌは一筋縄じゃイカねぇぞ・・・と思っていた。

 そして、案の定上映されると途中退席者が続出した。

 しかし最後まで見た人たちからは賞賛のスタンディングオベーションが送られて、まさしく賛否両論。

 そのニュースを見てから、楽しみで仕方なかった。

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 宣伝の仕方だと、まるでサイコスリラーみたいな宣伝の仕方だが、それは全くの間違いだ!!と見終えて思った。

 これは、サイココメディだ!!

 そんなジャンルってあったけ・・・??笑

 最初から最後まで、残酷なシュールなコントを見せられているような気になる。

 あまりに残酷だと、人間もう笑うしかないんだろうな・・・笑

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 とにかく、不謹慎なシーンが続出するこの作品は、決して人に勧めてはいけない。

 自分が、不愉快に感じたシーンは2つほどあったが、その1つのシーンに関しては、ジャックを演じたマットディロンも躊躇するほどだ。

 監督に相談すると「僕を信じてくれ」と言葉をかけられて、その言葉を信じて撮影に入ったのだそうだ。

 例え、演技だ作り物だって言ったって役者は大変だ・・・笑

 マット・ディロンの代表作と言うとフランシス・フォード・コッポラ監督の「アウトサイダー」で、一躍アイドル的な存在になったが、その後はあまりパッとしなかったが、今作のジャックを演じた事で顔や立ち姿はスマートなイケメンでありながら、目の奥にある狂気を醸し出せる演技力には脱帽だ。

 

そして、あまり話題になっていないが2月に亡くなった、ドイツ映画の重鎮・ブルーノ・ガンツも出演している。

彼の役柄は、この作品で一番不思議な役どころで、雰囲気は全く違うがヴィム・ヴェンダースの「ベルリン 天使の詩」を思い出させるが、こっちは天使というか死神といった感じか?

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 鬱に苦しみ、リハビリの一環として撮った鬱三部作を作った後に、まるで躁状態で大爆発したラース・ファン・トリアーが監督した「ハウス・ジャック・ビルト」。

 この作品を見て、あなたは目を背けるか、それとも笑えるか。

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