映画を語らせろ!〜映画徒然日記〜

映画レビューなどではなく、ただただ映画について語りたがりな人間のブログ

今日の監督さんVol.2「佐藤純彌」

 2月9日、「新幹線大爆破」や「人間の証明」、「敦煌」などの佐藤純彌監督が亡くなった。

 89歳だったそうだ。

 

 

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 佐藤純彌の代表作と言うと、やはり「新幹線大爆破」になるのだろうか?

 公開当時は、あまり興行的には振舞わなったがキネマ旬報の読者選出ではベストワンに選ばれたり、時が経ちカルト作品的(?)な改めて評価もされるようになった。

 アメリカでは、この作品に影響されてキアヌ・リーヴス出世作になった「スピード」が作られた。

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 しかし、そんな語り継がれる「新幹線大爆破」ではなく

 2017年にジョン・ウーが「マンハント」としてリメイクした「君よ憤怒の河を渉れ」でもなく、

 興行収入82億円をたたき出した「敦煌」でもなく、

 日本中がいろんな意味で度肝を抜いた「北京原人~Who are you?~」でもなく・・・。

 

 

 私が、一番心に残るのは

              野性の証明

 

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 角川春樹が、森村誠一原作を映画化した「人間の証明」の大ヒットにより、森村誠一に映画化を前提とした原作の執筆をした「野性の証明」を映画化したものだ。

 

 キャストは、高倉健薬師丸ひろ子中野良子、夏木勲、松方弘樹舘ひろしハナ肇三國連太郎などの超豪華!

 さすが、角川映画!!

 

 まさに、角川映画がこの当時のりにのりまくっていたのが分かる俳優陣。

 

 かなり、脚本は粗い部分もあるが

 邦画で、マシンガンはぶっ放すし、ヘリコプター、戦車がこれでもかとアクションを見せてくれる。

  

 何より、健さんがカッコいいんだ。これが。

 中野良子が、舘ひろし率いる暴走族に絡まれるシーンで健さんが助けるシーンがあるが、ここでやり返すのではなく殴られても殴られても、ゆっくりと立ち上がる姿は、こういう男になりたい!!と思ったものだ。

 映画に夢中になって、原作を読んだが全然違うもので驚いた。

 

 そして、特筆すべきなのは

 やはり、薬師丸ひろ子だろう。

 当時、演技経験がなかった彼女はこの作品に出るために、「敵か?味方か?3対3」という映画撮影前にドラマに出演させて演技経験を積ませて、映画の撮影にのぞませたとか。

 決して、演技が巧い訳ではないが魅力的にヒロインを演じている。

 この映画後も、「ねらわれた学園」、「セーラー服と機関銃」、「探偵物語」の角川映画に出演する。

 

 この「野性の証明」がなければ、きっと「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズのお母さん役も違う人がやっていたかもしれない。

 

 佐藤純彌監督というと、こういう規模の大きい作品で少し荒唐無稽だけで勢いで作品を作り上げていく作品が多いが、今の邦画にはない魅力があった。

 まさに日本映画が元気があった頃に邦画界をリードをしていた大事な監督の一人だ。

 

 ご冥福をお祈り申し上げます。

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