映画徒然日記vol.3 「パルプ・フィクション」
今日も、寒いですね。
昼過ぎに起きて、家でまったりゴロゴロしたいところを我慢して寒風吹きすさぶ中
仕事に行く時間と同じ時間に起床して、眠い目をこすりながら電車に乗り込み立川へ。
久しぶりに「午前十時の映画祭」へ行ってきました。
雪が降ろうと、槍が降ろうが、絶対行きたかった映画を立川のシネマシティでの
極音上映で鑑賞してきました。
「パルプ・フィクション」(1994年/アメリカ)
監督/脚本:クエンティン・タランティーノ
編集:サリー・メンケ
出演:ジョン・トラボルタ、ユマ・サーマン、サミュエル・Ⅼ・ジャクソン、ブルー
ス・ウィリス、ティム・ロス、アマンダ・プラマー、ハーヴェイ・カイテル、クリス
ファー・ウォーケン、クエンティン・タランティーノ
アカデミー賞で脚本賞を、カンヌ国際映画祭にて、パルムドールを受賞。
《あらすじ》
書きたいところだが・・・。ちょっと、あらすじを語るには面倒なんで見てください。(笑)
まさか、公開から25年を経て「パルプ・フィクション」を映画館のスクリーンで見
れる日が来るなんて誰が想像しただろう。
なんてなことを、書くと大げさかもしれないがそれぐらい自分にとっては「午前十時
の映画祭」のラインナップを見て、「よくやってくれた!!!!!」と興奮した。
上記のキャストを見てもらえば分かる通り、ハリウッド大スター集合しまくってい
る。
ジョン・トラボルタは、「サタデー・ナイト・フィーバー」で一気にスターの仲間入
りを果たし、その後も「グリース」や「ミッドナイト・クロス」などの作品に出演した
が徐々に過去の人となってしまいそうな時に、この作品に出演をし再びスターへ堂々と
復活を果たした。
ユマ・サーマン(最初は今作への出演には乗り気ではなかったらしい…)、サミュエ
ル・L・ジャクソンは、特に日本においてはこの作品で多くの人に知られ、一気にハリ
ウッドスターの仲間入りを果たし、タランティーノの作品
には欠かせない俳優たちになった。
ブルース・ウィリスは、「ダイ・ハード」シリーズでアクションスターになったもの
の、その後なかなか良作に恵まれない時期があったが、この作品でアクションだけ
でなく、筋を追う群像劇でも存在感を発揮する俳優として演技を評価された。
と、これだけの俳優をスターダムに押し上げるタランティーノは、本当にどんだけ凄
いんや!!と思ってしまう。
それ、誰が気付くんや?と言う様な仕掛けがタランティーノの映画には沢山施されている。
今作では、ジョン・トラボルタ演じるヴィンセントがトイレに三回行くが、そのたび
に劇中で物語の展開が一変したり、ユマ・サーマン演じる、ミアとヴィンセントがダン
ス大会に出場するのだが、そのシーンは二人がダンスを踊っている最中にフェードアウ
トして、次のシーンでは二人はダンス大会のトロフィーを手にしてダンスをしながら帰
宅するのだが、実は二人は優勝をしていなかった事が、ブルース・ウィリス演じるブッ
チが家に帰るシーンのバックに流れているラジオでダンス大会の優勝トロフィーが盗ま
れたというニュースが流れていたり、タランティーノの他の作品との繋がりが実はあっ
たりと、小ネタが随所に散りばめられているのだ。
そんな所に、注目しながら見るとより楽しめるかもしれない。
この映画の魅力の一つが複雑なストーリー展開でもある。
時系列シャッフルという言葉が、この作品以降、映画界だけでなく小説などでも使われるようになった。
でも、この作品ほど上手く使われてる作品に今まで出会ったことはない。
ここまで、複雑な作りをユニークかつ魅力的な作品に仕上げられたのは、タランティーノ自身が書き上げた脚本が素晴らしいわけだが、忘れちゃいけないのが「編集」だ。
タランティーノのほとんどの作品に編集技師としてクレジットされている、サリー・メンケが「パルプ・フィクション」にも編集で参加している。
再々再々再々鑑賞ぐらい、見ている作品だが、改めて編集の巧さが大きいと感じさせられた。
タランティーノの事だから、かなり編集にも口出しをしているのだろうが、編集技師は、監督、脚本家の意図を汲んだ上で編集が出来なければならない。
素材が、どんなに良くても味付けの仕方が分からなければ、素材の良さが消えてしまう。
編集技師サリー・メンケの存在はタランティーノの映画には欠かせない重要なスタッフの1人なのだ。
しかし、彼女は2010年に56歳で急死してしまう。
「イングロリアス・バスターズ」が、タランティーノと最後に組んだ作品になってしまった。
それ以降の「ジャンゴ 繋がれざる者」、「ヘイトフル・エイト」は、正直傑作とは言い難い出来だったように思う。
やはり、サリー・メンケはタランティーノの作品には大きな存在だったのだろう。
サリー・メンケとクエンティン・タランティーノ